冷蔵庫は24時間365日使うものなので多くの電気代がかかっています。ここを節約できれば電気代節約の効果も大きいです。冷蔵庫には年間でどれくらいの電気代がかかっているのか、節約方法にはどのようなものがあるのか、どれくらい節約できるのかについて紹介します。
冷蔵庫は家庭で一番電力を使う
少し古い調査データですが、 2009年の家庭における世帯当たりの電気使用量は4,618kWh/年で、そのうち冷蔵庫の電気使用量の割合は14.2%と第1位です。(総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会(第17回)資料「参考資料1トップランナー基準の現状等について」P.18) 冷蔵庫は24時間365日電力を使っているもので、電力消費量もそこそこ多いので第1位という結果になっています。
ちなみに、第2位は照明器具(13.4%)、第3位はテレビ(8.9%)、第4位はエアコン(7.4%)、第5位は電気便座(3.7%)です。
冷蔵庫の電気代はどれくらい?
電気代の計算方法
冷蔵庫の電気代は説明書やカタログなどに記載の年間消費電力量から計算することができます。計算方法は以下の通りです。
年間電気代=年間消費電力量(kWh)×1kWhあたりの電気代
1kWhあたりの電気代は契約している電力会社の料金プランや電気の使用量などによって変わります。商品カタログなどで電気代が記載されている場合、基本的に27円が使われています。より正確に知りたい場合は検針票などを見て電気代の請求額を電気使用量で割って求めてください。
年間消費電力量はJISにより定められた実際の利用環境を想定した測定方法で年間に消費する電力量を測定しています。この測定方法は2015年により現実に近い形に変更されているので、それ以前のものと単純比較するのは難しいです。
容量別冷蔵庫の年間電気代
容量別の冷蔵庫の年間電気代を紹介します。なお、ここで紹介する数値は資源エネルギー庁が発行する省エネ性能カタログ 2017年冬版に掲載の間冷式の製品の平均値を用いています。
容量 | 年間消費電力量 | 年間電気代 |
---|---|---|
140L以下 | 330kWh | 8,917円 |
141~200L | 314kWh | 8,489円 |
201~250L | 351kWh | 9,488円 |
251~300L | 388kWh | 10,461円 |
301~350L | 359kWh | 9,676円 |
351~400L | 400kWh | 10,806円 |
401~450L | 315kWh | 8,496円 |
451~500L | 310kWh | 8,359円 |
501L以上 | 304kWh | 8,206円 |
冷蔵庫の電気代は容量に比例しない
上の表を見ればわかる通り、冷蔵庫の電気代は容量に比例していません。大きいほうが電気代がかかるようなイメージですが、逆に大きいほうが安いことがわかります。これはサイズが大きい冷蔵庫のほうがインバータ制御や真空断熱材などの省エネ技術を多く搭載できるからです。冷蔵庫を購入する際は、設置スペースの問題もあるのである程度の制限はあると思いますが、小さいほうが電気代が安いとは思いこまずに年間消費電力量にも目を向けて冷蔵庫を選んでください。
冷蔵庫の電気代節約方法
冷蔵庫にかかる電気代の節約方法を紹介します。これを参考に電気代を節約してみてください。なお、以下に記載の電気使用量の削減量、節約できる電気代は省エネ性能カタログ 2017年冬版に記載のデータで、一般社団法人 省エネルギーセンターの実測値です。
ものを詰め込みすぎない
冷蔵庫にものを詰め込みすぎると冷気がさえぎられて庫内を冷やすのに多くのエネルギーが必要となります。また、ものを取り出すのに時間がかかるようになります。詰め込んだ場合と半分にした場合とで比較すると、年間で43.84kWhの削減、約1,180円の節約です。
無駄な開閉はしない
冷蔵庫を開けると冷気が逃げて庫内の温度が上がり、閉じた後再度温度を下げるためにエネルギーを多く使います。旧JIS開閉試験※の開閉を行った場合とその2倍の回数を行った場合とで比較すると、無駄に開閉をしないことで年間10.40kWhの削減、約280円の節約です。
※旧JIS開閉試験:冷蔵庫は12分ごとに25回、冷凍庫は40分ごとに8回で、開放時間はいずれも10秒
開けている時間を短くする
無駄な開閉と同じく開けている時間が長くなると冷気が逃げてしまい、再度冷やすのにエネルギーを多く使います。開けている時間が20秒の場合と10秒の場合を比較すると、10秒のほうが年間6.10kWhの削減、約160円の節約となります。
設定温度を適切にする
庫内の設定温度を控えめにすると消費電力量は少なくなります。食品の痛みには気を付ける必要がありますが、冬場などで設定が「強」になっていたら「中」や「弱」に変更してみましょう。周囲温度22度で設定温度を「強」から「中」に変更すると年間61.72kWhの削減、約1,670円の節約となります。
周囲に間隔をあける
十分な放熱スペースを確保するために、冷蔵庫の周囲に適当な間隔をあけて設置しましょう。商品によって必要な放熱スペースは異なりますが、上部には5cm~30cm、左右には5mm~2cmの隙間を開けましょう。 冷蔵庫の上と両側が壁に接している場合と片側が壁に接している場合とで比較すると年間で45.08kWh、約1,220円の節約になります。 また、直射日光が当たるところやガスコンロなどの熱源の近くは避けて設置するようにしましょう。
※必要な放熱スペースについては各メーカーのカタログなどで確認してください。
まとめ
冷蔵庫は24時間365日使用するものなので多くの電気を使用しています。この記事で紹介している節約方法を実践して電気代を節約しましょう。
また、冷蔵庫に限らず電気代を節約する方法があります。それは電力会社を変更することです。基本料金や従量料金の単価が安い電力会社に変更することで電気代を安くすることができます。節約できる電力会社を探すには電気料金比較サイトを利用すると便利でお得です。いくらぐらい安くなるのかを自分で計算する必要がなく、さらに比較サイトを通して電力会社に申し込むことでギフト券のプレゼント等もあります。ぜひ一度利用してみましょう。
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