auのショップに携帯電話の手続きをしに行くとauでんきの契約を勧められることがあります。地域の電力会社と比べてauでんきはお得なのでしょうか？auでんきとはどのようなサービスかということやauでんきを契約するメリット・デメリットを紹介していきます。
auでんきとは？
auでんきとは、2016年4月に開始した電力自由化を機にKDDIが提供を始めた電力小売サービスです。電力小売サービスという言葉は聞きなれないかと思いますが、簡単に言えば電気を販売するサービスです。auの携帯電話やauひかりの契約者に向けて全国（沖縄・一部離島を除く）でサービスを提供しています。
電力会社以外が電気を販売するということで停電が起きやすくなったり災害時の復旧に時間がかかったりしないか心配する人もいるかと思います。しかし、そのような心配は無用です。発電された電力は今までと同じ地域の電力会社の送配電網を利用して各家庭に運ばれるからです。新しく参入した電力会社ごとに違う電線が引かれるというのは非効率であるため、電力を運ぶ送配電の部門は自由化されていないのです。auでんきと契約しても今までと同じように電気を使うことができます。
auでんきの料金は？
auでんきの基本料金・最低料金、従量料金の単価は地域の電力会社の自由化前からある基本的なプラン（従量電灯A/B/C）と同じです。正確には、電気料金の計算過程での消費税の処理の順番が異なるので微妙に電気料金が異なってくるのですが、違っても数円の話なので同じといってよいでしょう。
参考までに、東京電力エナジーパートナーの従量電灯B（関東地方の一般家庭で電気の契約を変えていない人の多くが契約しているプラン）とauでんきのでんきMプラン（東京）の料金単価表を掲載します。なお、auでんきの単価は税抜で（）内は税込参考単価、東京電力は税込です。
| 区分 | auでんき | 東京電力 | |
|---|---|---|---|
| 基本料金 | 10A | 260.00円 （280.80円） | 280.80円 |
| 15A | 390.00円 （421.20円） | 421.20円 | |
| 20A | 520.00円 （561.60円） | 561.60円 | |
| 30A | 780.00円 （842.40円） | 842.40円 | |
| 40A | 1,040.00円 （1,123.20円） | 1,123.20円 | |
| 50A | 1,300.00円 （1,404.00円） | 1,404.00円 | |
| 60A | 1,560.00円 （1,684.80円） | 1,684.80円 | |
| 1kWhあたりの 電力量料金（従量料金） | 最初の120kWhまで | 18.07円 （19.51円） | 19.52円 |
| 120kWh超過300kWhまで | 24.07円 （25.99円） | 26.00円 | |
| 300kWh超過分 | 27.79円 （30.01円） | 30.02円 | |
auでんきのメリット
auでんきのメリットを紹介します。
WALLETポイントが還元される
auでんきの電気料金は地域の電力会社の料金プランと変わらないと説明しましたが、auでんきではさらに毎月の電気料金に応じたau WALLETポイントが還元されます。ポイント還元率は以下の表のとおりです。
| 月の電気料金※ | ポイント還元率 |
|---|---|
| 5,000円未満 | 1% |
| 5,000円以上8,000円未満 | 3% |
| 8,000円以上 | 5% |
※燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金、消費税相当額を除いた金額が対象です。
電気料金が高くならないという安心感
auでんきに切り替えてもこれまでの地域の電力会社の一般的な料金プラン（従量電灯）と同じ料金単価です。auでんきに切り替える前に自分に合った料金プランに変更していたり、オール電化住宅であったりしなければ、auでんきに切り替えることで割高になることはありません。
アプリで使用量や料金が確認できる
auでんきに契約するとスマホアプリで電気使用量や電気料金などを確認することができます。過去の電気使用量の推移なども手軽に確認できたり日々の使用量を1か月たたずに確認できたりするので、節電を意識して行動してその成果がわかりやすいというメリットがあります。
auでんきのデメリット
続いてauでんきのデメリットを紹介します。
たいして安くない
auでんきのデメリットとして挙げられるのはたいして安くならないということです。電気料金は地域の電力会社と変わらず、還元されるポイントも最大で5%です。住んでいる地域にもよりますが、使用量が多ければ10%以上お得になる新電力は珍しくありません。また、30A以上でないと契約できないという制限がありますが、HTBエナジー（H.I.S.のグループ会社、HTBはハウステンボスの意）の「たのしいでんき」というサービスは使用量が少なくても地域の電力会社の5%オフの料金です。
1年未満の解約で違約金
auでんきは1年未満で解約した場合、違約金として2,000円が発生します。auでんき提供エリア外に引っ越す場合などは違約金は発生しませんが、沖縄と離島以外は提供しているのであまりないことでしょう。少なくとも1年以上契約するつもりであるのならば問題ありませんが、そうではない場合で使用量が少ない場合は電気代の節約額が違約金で吹き飛んでしまいます。
携帯や固定回線を他社に乗り換えたらポイント還元なし
auでんきのWALLETポイントの還元はauの携帯電話かauひかりを契約していることが前提となっています。他社回線に変更してもauでんきは契約を続けることができますが、ポイント還元がなくなるので地域の電力会社の一般的な料金プランを契約しているのとほぼ変わらなくなります。将来的に他社回線に乗り換える可能性があるのならば、もっと電気代が安くなる電力会社を探して初めからそちらに契約しておいたほうが良いかもしれません。
まとめ
auでんきは地域の電力会社の電気料金そのままにポイント還元を受けることができます。しかし、もっとお得になる電力会社はあるので、auのファンだという人や考えるのが面倒で他社回線に乗り換えるつもりはないという人以外はほかの電力会社を探したほうが良いかもしれません。
ちなみに、ほかの電力会社を探すには電気料金の比較サイトを利用すると便利です。2016年の電力自由化当初は多くの比較サイトがありましたが、現在も継続して更新が続けられているのは、
代表的な電力会社比較サイト
くらいです。各比較サイトで掲載会社や契約時の特典が違っているので時間があれば3サイトとものぞいてみるとよいでしょう。
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