電力会社の変更でどうして電気代が安くなる?

電球と疑問符電力会社変更

電力会社の変更で電気代が安くなると聞いたことがありませんか?実際、今まで電力会社の料金プランを変更したことがない人は高い確率で電気代が安くなります。それではどうして電気代が安くなるのでしょうか?その理由を紹介します。

電気代が安くなるのは料金単価が安くなるから

電気代が安くなるのは電気料金を計算するのに使う基本料金や従量料金の単価が安くなるからです。多くの人は特に気にせず請求額を支払っていますが、多くの電力会社で電気料金は以下の計算式で算出されています。

電気料金=基本料金+従量料金単価×電気使用量+燃料費調整単価×電気使用量+再エネ賦課金

なお、関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力の管内は基本料金制ではなく最低料金制ですが、安くなる理由は変わりませんので基本料金の部分を最低料金に置き換えて読んでください。

新規参入した電力会社は上の式のうち、基本料金と従量料金単価のどちらかあるいは両方を安くしています。従量料金単価は使用量が少ないうちの単価を地域の電力会社より高く、使用量が多くなってから適用される単価を地域の電力会社より安くしている会社も多くあるので、電気使用量が少ない人は切り替える前によく確認してください。

燃料費調整単価は基本的に地域の電力会社と同じものを利用していて再エネ賦課金は全国土の電力会社でも同一の単価ですので気にする必要はありません。

新規参入電力会社の料金単価事例

東京ガス ずっとも電気1S

区分東京ガス東京電力
基本料金10A286.00円286.00円
15A429.00円429.00円
20A572.00円572.00円
30A858.00円858.00円
40A1,144.00円1,144.00円
50A1,430.00円1,430.00円
60A1,716.00円1,716.00円
1kWhあたりの
電力量料金(従量料金)
最初の120kWhまで19.85円19.88円
120kWh超過300kWhまで25.35円26.48円
300kWh超過分27.48円30.57円

東京ガスのずっとも電気1Sというプランは、基本料金は東京電力の従量電灯B(一般家庭の多くが契約しているプラン)と同じで従量料金単価はどの使用量でも安くなっています。

ミウツロコでんき 従量電灯B(関東エリア)

区分ミツウロコ東京電力
基本料金10A280.80円280.80円
15A421.20円421.20円
20A561.60円 561.60円
30A842.40円 842.40円
40A1,123.20円 1,123.20円
50A1,404.00円 1,404.00円
60A1,684.80円 1,684.80円
1kWhあたりの
電力量料金(従量料金)
最初の120kWhまで
21.43円 19.52円
120kWh超過300kWhまで 22.63円 26.00円
300kWh超過分 25.24円 30.02円

ミツウロコでんきの従量電灯Bは基本料金は東京電力と同じで、従量料金の単価が異なるタイプです。上の東京ガスの事例と異なるのは、電気使用量が少ないうちは逆に料金単価が高くなり、使用量が多くなると料金単価が大きく下がるということです。

たのしいでんき 東京大江戸プラン従量電灯B5

区分たのしいでんき東京電力
基本料金10A280.80円
15A421.20円
20A 561.60円
30A800.28円 842.40円
40A1,067.04円 1,123.20円
50A1,333.80円 1,404.00円
60A1,600.56円 1,684.80円
1kWhあたりの
電力量料金(従量料金)
最初の120kWhまで
18.46円 19.52円
120kWh超過300kWhまで 24.62円 26.00円
300kWh超過分 28.44円 30.02円

H.I.S.グループのHTBエナジーが提供しているたのしいでんきは地域の電力会社の料金単価よりも5%安い料金単価で提供しています。30A以上でないと契約できませんが、確実に電気代を安くしたい人におすすめです。注意点として、1年以内に解約した場合は違約金として2,000円が発生するので気を付けてください。

あしたでんき 標準プラン(関東エリア)

区分あしたでんき東京電力
基本料金10A0円280.80円
15A0円421.20円
20A0円 561.60円
30A0円 842.40円
40A0円 1,123.20円
50A0円 1,404.00円
60A0円 1,684.80円
1kWhあたりの
電力量料金(従量料金)
最初の120kWhまで
25.50円 19.52円
120kWh超過300kWhまで 25.50円 26.00円
300kWh超過分 25.50円 30.02円

少し変わった事例としてあしたでんきの標準プランを紹介します。あしたでんきの標準プランは基本料金が0円で従量料金の単価が使用量によらず一定です。ちなみにあしたでんきを提供しているTRENDE株式会社は東京電力ホールディングス株式会社の100%子会社です。

新規参入会社はどうして安くできる?

電力会社を変えれば料金単価が下がるので電気料金が安くなることを説明しましたが、どうして料金単価を安くすることができるのでしょうか?

ターゲットを選ぶことができる

地域の電力会社はその地域の人全員の電気使用量のことを考えて料金設定をする必要がありました。一方で新規参入の電力会社は自社にとってメリットが薄い層の人たちが契約せず、メリットが多い人たちが契約するように料金単価を設定することができます。自分が電力会社のターゲット層に合致した場合は地域の電力会社よりも安い料金単価で電気を使用することができるのです。

運営コストを抑えている

新規参入した電力会社は地域の電力会社と比べて、従業員の数が少なく人件費を抑えることができます。その反面、契約者に対する手厚いサポートはできなくなるかもしれませんが、オンラインチャットでのサポートやメールでの問い合わせで答えがあればよいという人であればあまり問題はないかと思います。ほかにもペーパーレス化を進めていて紙の印刷コストなども抑えることができています。

運営形態は異なりますが、代理店型自動車保険とダイレクト型自動車保険のような関係だと考えれば理解しやすいかもしれません。

まとめ

新規参入した電力会社は地域の電力会社と比べて料金単価が安いため、電力会社を切り替えることで月々の電気代が安くなります。料金単価を下げることができるのは、ターゲットを選んで利益が少ない人たちを切り捨てることができるということと運営コストを抑えているという理由が挙げられます。

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