アンペア数の変更で電気代の節約

ブレーカー電力会社変更

電気代を構成する要素のうちの一つに基本料金がありますが、基本料金は自宅のアンペア数によって決まります(家庭向けの関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力は除く)。アンペア数を減らすことで基本料金を減らし、電気代を節約することができるのです。アンペア数を減らせる目安と節約できる電気代について紹介します。

電気代の構成要素

毎月の電気代の請求額は気にするものの電気代がどのような要素から計算されているかを知っている人は少ないのではないのでしょうか。電気代の構成要素は以下の通りです。

電気代=基本料金(最低料金)+従量料金単価×電気使用量+燃料費調整単価×電気使用量+再エネ賦課金単価×電気使用量

基本料金(最低料金)

北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、九州電力エリアについては基本料金、関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力エリアについては最低料金が毎月固定でかかります。今回の記事のテーマであるアンペア数の変更による節約はこの基本料金にかかわります。アンペア数が大きいほど基本料金は高くなります。

従量料金

一般に電気代で思い浮かべる人が多いのが従量料金でしょう。ちなみに、この記事内ではわかりやすくするために従量料金としていますが、地域の大手電力会社は電力量料金という名称となっています。電力自由化以後、様々な料金単価のプランが登場していますが、従来のプランをはじめとして一般的なのが、電気使用量が増えるにつれて3段階に料金単価が上がるパターンです。

東京電力従量電灯Bの従量料金単価(税込み)
区分単位単価
最初の120kWhまでkWh19.52円
120kWhをこえ300kWhまで26.00円
300kWh超過分30.02円

例えば、400kWh使用した場合、 19.52×120+26.00×180+30.02×100と計算します。

燃料費調整額

火力発電に用いている燃料(原油・LNG・石炭)の輸入価格の変動を電気代に反映させるための項目です。過去3か月の平均価格を翌月の燃料費調整額に反映します。各電力会社で基準となる金額を持っていて、燃料費の平均価格がそれを上回ればプラスの、下回ればマイナスの調整となります。

再エネ賦課金

正式には再生可能エネルギー発電促進賦課金といいます。再生可能エネルギーによる発電を促進するために導入されました。固定価格買取制度によって電力会社は再生可能エネルギーで発電された電力を買い取っていますが、この買取に要した費用を電気の契約者全員で負担するための項目です。再エネ賦課金の単価は全電力会社共通で、経済産業大臣によって決められています。

アンペア数の変更で減らせる電気代は?

電気代の基本料金はアンペア数によって決まっていますが、アンペア数を減らすことでどれだけ電気代を節約することができるのでしょうか。実のところ、契約している電力会社によって削減できる電気代は変わるのですが、おおむね10A少なくなると基本料金が300円前後安くなります。

例として東京電力の従量電灯Bというプランの基本料金を紹介します。このプランの場合、10A少なくなると毎月280円80銭電気代が安くなります。

アンペア数基本料金(税込み)
10A280円80銭
15A421円20銭
20A561円60銭
30A842円40銭
40A1,123円20銭
50A1,404円00銭
60A1,684円80銭

ちなみに、〇〇銭と銭単位の料金になっていますが、実際に支払う電気代はもちろん銭単位では支払いません。従量料金なども銭単位の単価になっていて、すべて合計した後に円未満は切り捨てて請求されます。

自宅に必要なアンペア数の目安

アンペア数を減らせば電気代を節約できますが、減らしすぎるとブレーカーが頻繁に落ちるようになって大変です。どれくらいのアンペア数が適切なのでしょうか?

適切なアンペア数は同時に使う電化製品の消費電力を足すことでわかります。例えば、エアコンの暖房(安定稼働時650W)、冷蔵庫(250W)、照明(合計100W)、電子レンジ(1200W)、液晶テレビ(120W)を同時に使う場合、合計は2320Wです。日本の家庭用コンセントは100Vなので、合計のW数を100で割れば目安として必要なA数がわかります。例の場合は23.2なので30Aの契約が適切です。

この計算をする時、1年を通して最も電気を使用するときを想定して計算してください。暖房や冷房を使わない季節で想定すると、暖房や冷房を付けたらほかの家電が使えないという可能性もあります。

電化製品別必要なアンペア数の目安

東京電力のサイト上に主な電気機器のアンペアの目安が載っていたので紹介します。自宅で使っている電化製品の消費電力がわからない場合は参考にしてみてください。

電気機器アンペア数電気機器アンペア数
インバータエアコン
(冷房時おもに10畳用平均)
<立ち上がり時など>
冷房5.8A<14A>
暖房6.6A<20A>
冷蔵庫
(450Lクラス)
2.5A
電気カーペット
(3畳用)
1/2面 4A
全 面 8A
電子レンジ
(30Lクラス)
15A
テレビ液晶42型 2.1A
プラズマ42型 4.9A
IHジャー炊飯器
(5.5合・炊飯時)
13A
掃除機弱 2A
強 10A
IHクッキングヒーター
(200V)
20A~30A
(最大使用時58A)
アイロン14A食器洗い乾燥機
(100V卓上タイプ)
13A
ヘアードライヤー12Aドラム式洗濯乾燥機
(洗濯・脱水容量9kg)
洗濯時 2A
乾燥時 13A

なお、アンペア数は製品ごとに異なるので実際のものがわかる場合は実際の数値を使用するようにしましょう。

我慢が嫌なら電力会社の変更をしよう!

計算してみたらアンペア数を減らせなかった人や同時に使用する家電を考えて生活するのは嫌だという人は電力会社の変更を検討してみましょう。電力自由化で選べるようになった電力会社の中には地域の電力会社の標準的なプランよりも基本料金や従量料金の単価が安いところが多くあります。つまりは、電力会社を変更することで電気代を節約するととができるのです。

しかし、数多くの電力会社の料金単価をいちいち調べるのは大変です。そんな時は電力会社の比較サイトを利用しましょう。Amazonギフト券のプレゼントやキャッシュバックなど普通に公式サイトから申し込んだのでは手に入らない特典がある場合もあります。電力会社の比較サイトは以下の3つが有名です。

代表的な電力会社比較サイト

まとめ

自宅の契約アンペア数が高すぎる場合、適切に減らせば電気代を月数百円減らすことができます。一度に使う電化製品に比べてアンペア数が高すぎる場合はアンペア数を減らすことを検討してみましょう。

また、アンペア数を減らせない場合やブレーカーを気にして生活するのが嫌な場合は電力会社の変更を検討しましょう。一度も電力会社の料金プランを変更していなければ高い確率で電気代を節約することができます。

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